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写真展「Indigenous」に込めた写真家・竹沢うるまのメッセージ

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2013年11月27日(水)より新宿コニカミノルタプラザにて写真展「Indigenous」を開催している写真家・竹沢うるまさん。

その写真展の概要は、先日お知らせいたしました。
以下の記事をご覧ください。

ただ、この告知記事だけではなく、世界一周の旅を終えて一つ目の写真展「Walkabout」を開催されたうるまさんがなぜ今度は「Indigenous(=土着)」という写真展を開きたいと思ったのか?そこが気になった私は、ご本人に簡単な一問一答インタビューをさせてもらいました。

今回の写真展「Indigenous」が気になっている方、あるいはすでに行かれた方にも、興味深い内容になっているかと思います。
以下、ぜひご覧ください。

また、併せて写真展「Walkabout」の際に行ったインタビューもお読みいただけると、前回の写真展と今回の写真展がより一本の線につながって理解できるではないかと思います。

写真は前回のインタビューの際のものです

写真は前回のインタビューの際のものです

いぬたく

今回のテーマでセレクトした50点の写真は、撮っている時にすでに「土着」というテーマが頭の中にあったのでしょうか?
それとも、世界一周の旅を終えてから(もしくは旅の終盤に)このテーマに着眼して、それに合った50点を選んだのでしょうか?

うるま

旅をしている間は特に考えていたわけではないです。旅が終わってからも、写真集を作る時なども、ずっと「Walkabout=放浪」をテーマに考えていました。
ただそれが形になったとき、振り返ってみてみると、僕がしていたのは「放浪」だけれども、見ていたのはそれぞれの土地の「土着」だんたんだということに気づきました。

いぬたく

前回のテーマ「放浪」というのはうるまさん自身が実際に行なって当事者となれるものですが、今回のテーマ「土着」というのはうるまさん自身の話というよりも、その大地や人物についてうるまさんは傍観者として写真で切り取るという違いがあると思います。
その違いは、うるまさんにとってどういう意味があるんでしょうか?

うるま

「放浪」と「土着」は一見反対の意味合いのように思えるけれども、実はそれは表裏一体で、同じだと感じています。「土着」がなければ「放浪」という概念も生まれてきません。また、「放浪」がなければ「土着」という概念も生まれてこないのです。

なので、今回の展示は「土着」がテーマですが、ある意味、裏から見た「放浪」だと思っています。

いぬたく

上の質問とも被る部分がありますが、「広く広く」という旅を行ってから今度は「深く深く」というテーマに移った、その時の心境や考え方の変化というのは、どういうことだったんでしょうか?

うるま

確かにこれから「もっと深くへ」に移行しつつあると思います。ただ、移ったのではなく、移りつつある、もしくは移っていきたいと思っている段階です。

そのためには、まず「放浪」を終えなくてはいけない。
今回の展示は写真集「Walkabout」の世界の中で構成されています。まずは自分自身の中にある「放浪」的な部分は、すべてはき出さないと次に移れないのです。
今回の展示は、そのためのある種の儀式です。次へ向かうための儀式。

実際の放浪の旅に関しては、すでに納得して旅を終えているのですが、それを第三者に伝えなければ行けないという義務が、実際に旅をした人間にはあって、それを終えて、初めて次に向かうことが出来るのだと思います。

これまでのものをすべて吐き出して、納得して、そうすることによって次に移ることが出来るのです。
「Walkabout」への決別の意味があります。

竹沢うるまインタビュー

いぬたく

日本人として、日本に「土着」を感じることはありますか?
あるとしたら、それはどのような部分でしょうか?

うるま

日本人として日本に土着を感じるとうことは、実はあまりありません。感じるとしたらご飯がおいしいということぐらいでしょうか。

僕が言う「土着」とは、大地と人のつながりの部分であって、それには確たる自然があって、その大地の一部として生きている人々がいて、そこから生まれる文化があり、言語があり、伝統があり、歴史があり、芸術があり、そういった部分なので、いまの日本にいると、そういう僕が考える土着的なものは、あまり感じられないです。

もちろん、表面上そう見えるものもたくさんありますが、
本質的に僕が求める「土着」かと問われると、疑問を感じてしまう部分があります。

いぬたく

最後に、この写真展を観に行こうと思っている方にメッセージがあれば教えてください。

うるま

僕は2010年の3月から、1021日かけて世界各地103ヶ国を巡る旅をしました。

広大なパンタナールを旅するカウボーイたち、アンデス山脈でアルパカの放牧をして暮らす人々、アフリカの最奥地で巨大な角を持つ牛と共に生きるウォダベ族、パミール高原の遊牧民など、過酷な自然の中で生きる人々は、みなその大地にしっかりと足を踏みしめ、まさに生きていました。その姿は、優しく、そして美しかったです。

豊かで厳しい大地があり、そこに人がいる。
その関係性の中から、言語が生まれ、文化が生まれ、歴史が生まれ、すべてが始まる。

「生きる」とはどういうことなのか?
僕らは本当の意味で生きているのだろうか?

僕は旅の中で、そのような美しい人々に出会う度に、そう無言のうちに問いかけられているような気がしました。

この写真展は、その旅で出会った「Indigenous=土着」の瞬間を写した写真で構成されています。
これを機会に、世界各地の大地と人のつながりに触れて、自然とは何か、大地に生きる意味とは何なのかを感じて頂ければと思っています。

竹沢うるま写真展「Indegenous」

コニカミノルタプラザ特別企画展
竹沢うるま写真展「Indigenous -躍動する大地と人の輝き-」

○期間
2013年11月27日(水)~12月9日(月)
○場所
新宿コニカミノルタプラザ(入場無料)
東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)
○開館時間
10:30~19:00(最終日は15:00まで)
○入場料
無料

竹沢うるまスライドトークショー

○日時
2013年11月30日(土)14:00~15:00
○場所
新宿コニカミノルタプラザイベントスペース
○参加費
無料
○定員
最大50名
※定員を超えた場合は、立見となります(会場の都合により入場をお断わりさせて頂く場合もあります)
○申込方法
先着順
※開演2時間前より、会場にて整理券を配布。

竹沢うるま 写真展「Indigenous」-躍動する大地と人の輝き- | コニカミノルタ

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