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「リュウグウノツカイ出現は地震の前兆」はデマ!?

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2016年2月8日朝、幻の深海魚といわれるリュウグウノツカイが新潟県佐渡沖の定置網に生きた状態でかかったニュースが話題となりました。

■深海魚「リュウグウノツカイ」生きたまま捕獲
http://www.j-cast.com/2016/02/09257953.html

生きたままの捕獲はかなり珍しいこと。
残念ながら水揚げ後に死亡しましたが、その後、新潟市の水族館マリンピア日本海で、期間限定で標本が一般公開されました。

リュウグウノツカイが浅瀬まで上がって来るというニュースはたびたび耳にします。
昨年末も石川県能登半島で上がったニュースが記憶に新しいところ。

■リュウグウノツカイ生きたまま発見 石川
http://www.news24.jp/articles/2015/12/22/07318032.html

そして、リュウグウノツカイのニュースが出ると、必ずと言って出てくるのが、

「地震が起こるのでは!?」

確かに、深海魚が浅いところまであがってくれば、「何かの前触れか」と考えるのは当然かもしれません。
そもそも、リュウグウノツカイが“地震魚”なんて呼ばれていたりしますしね。

昔から、深海魚が打ち上げられた事実とその後の地震を関連づけて、結果論として「地震の前兆だったのでは!?」とする記事はよく見ますが、「信じるも信じないもあなた次第」という都市伝説、あるいはデマの類と言えるかもしれません。

■地震の前兆!深海魚が次々捕獲!どんな魚?実際に地震との関係は?
http://omoiomoi.com/518.html

長くダイバーをやっている皆さんならご存知のように、伊豆近海では、リュウグウノツカイをはじめとする深海生物はちょくちょく浅場で目撃されています。

また、日本ではしょっちゅう地震は起きていますし、リュウグウノツカイと人との接点の問題もあり、なかなか前兆というほどのエビデンスは見当たりません。

ただ、地震との関連に関していえば、興味深い話があります。

少し前の記事ですが、Pouch掲載の生体電位と地震前兆学の国際権威学者である鳥山英雄先生(東京女子大学名誉教授)は、リュウグウノツカイが打ちあがる原因をこう述べています。

「それはおそらく、プレートが動きひずみができたことによって起きた、電気反応によるものと思われます。地震はプレートが押し合うことで起きる現象です。そしてその動きは大なり小なり電気を起こすのです。リュウグウノツカイはその電気にショック反応を起こして、今回打ち上げられたのでしょう」

ただ、こうも付け加えています。

「この現象が地震の前兆であるかどうかはわかりません。このところ日本では地震が再び頻繁に起きています。そのため今回の件が、過去に地震が起こったことによる電気反応で打ち上げられた可能性も大いに考えられ、前兆ではなく、地震後の影響かもしれないからです」

(引用:リュウグウノツカイと地震との関連性はあるの? 地震前兆学の先生にお話を伺ってみたぞ – Pouch[ポーチ]より)

つまり、リュウグウノツカイが浅場に上がって来ることは、地震と関連はあるが、地震の予兆、前兆なのかどうかは、誰にもよくわかっていないということでしょう。

厄払いに行ったりする自分は、そこまで科学のみに基づいて生きているわけではありませんが、インストラクターが、結構、通説のように語っていたり、メディアが煽ったりすることのある話題なので、「今のところ、確たる証拠はないよ」と言っておきたいと思います。

■生きたまま発見されたリュウグウノツカイの映像

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